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2006/02/08

Richard Stallman、トラッキング技術を語る

前回のエントリーに関連して、Information Weekのリチャード・ストールマン関連の記事(Freedom Fighter)。
彼の近況を伝える記事でRFIDがメインと言うわけではないのだが。

One man, upon learning about a run-in Stallman had with security at the summit in Tunisia (Stallman had wrapped his RFID-chipped identity tag in aluminum foil so the signal couldn't be picked up and encouraged others to follow suit), asked him about tracking technology. Stallman, taking breaks from munching on shrimp as he sat beside a serving plate at the buffet table, talked about fighting it, protesting, and refusing to wear badges with RFID.

Cell phones also can be used for tracking people, Stallman says, and he won't use one until someone makes one that works entirely on free software.

ストールマンはチュニジアで行なわれた国連のITサミットでセキュリティと一悶着を起こしていた。彼は渡されたRFIDチップ内蔵の身分証をリーダに検知されないようアルミ箔でくるみ、他人にも同じようにするようけしかけていたのだ。そのことを知った人がパーティーの席で彼にトラッキング技術についての意見を求めた。ストールマンは、バイキングテーブルの横に陣取ってエビをむしゃむしゃ食べていた手を休め、トラッキング技術と戦い、抗議し、RFIDチップ内蔵の身分証を身に付けることを拒否することについて語った。

彼は、携帯電話もまた人々をトラッキングするため利用されうると語り、フリーのソフトウェアだけで携帯電話が作られるまで利用するつもりはないと言った。

いいなぁ。これでこそストールマン尊師。意見には同意できないが、ここまではっきりしていると人として尊敬しない訳にはいかない。

(注:リチャード・ストールマン氏は伝説的なプログラマであり、またソフトウェアの自由を主張する団体Free Software Foundationを率いる活動家でもあります。彼をご存知の人にしか面白くない記事ですね。すみません。)

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2006/02/05

Spychips / Katherine Albrecht (著)

RFID技術への反対を目的とするプライバシ団体CASPIANの代表が書いた書籍。そこそこ名の通った団体なのでさぞかし耳が痛いながらも示唆に富む考察が入っていると思って読んでみたらトンデモ本だったのでブッ飛んだ。なんせ、RFIDリーダが街中に無尽蔵に配備され、タグのユニークIDがGPS情報と共に通信衛星に送付されて、個人の識別情報と組み合わされた上でインターネットに公開されるのだ。はっきり言って頭がクラクラする。

そりゃあね、そんなことが将来にわたって技術的に不可能とは言い切れないかも知れない(現在の公衆電話回線の規格を設計した人間は将来50Mbpsオーバーの通信に利用されるとは夢にも思っていなかったろう)。だが、他の技術分野で積み上げられてきたセキュリティ・プライバシーへの対応を全く無視しているのはいかがなものか。もし技術的に可能なセキュリティ侵害は必ず行われていると言うのであれば、携帯電話でも同様のトラッキングが行われていることを心配すべきだ(電源を切る?そんなことでトラッキング機能が無効になるわけはないでしょう?w)。あるいは、駅や空港などに導入されると言われている、通行者の顔を録画してテロリストの発見に利用すると言うシステム。電波の発信はタグをアルミ箔でくるめばカバーできるが、普通の人間は街中をサングラスとマスクで歩けないだろう。

結局のところこの種のプライバシ問題は社会全体なり業界なりでの各種のレベルでのルール作りで和らげるべきものであり、技術そのものを槍玉に挙げても仕方がない。ただ、この問題の背景には、どうも個人に識別番号が「(焼印のように)押される」ということに宗教的な嫌悪感があるようなのだ。SSNという国民総背番号制度を導入し、小額の買い物にもクレジットカードを利用するアメリカで、なんでRFID技術の乱用ばかりを過剰に気にする?と日本人には思えてしまうのだが、理由が体感できないのがもどかしい。この本は売れているし、アメリカのRFID関連業界は火消しに躍起でいくつもの反論記事が出ているのだが、この宗教的嫌悪感の部分で議論が微妙に噛みあっていない気がする。

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2006/02/03

アメリカRFIDシーン停滞の理由

最近のRFID JournalやRFID Insightsの記事を見ていると、いわゆるMandate関係のニュースが減っている。 実際2005年に新たに発表されたMandate案件はなかった。

理由の一つはビジネスモデル、つまり誰がどうやって儲けるのかが見えて来ない点にあるだろう。

  • ハードウェアは標準化が先行した上に将来の値下がり期待が大きいから現時点でシェアを確保するためには値段を上げられずどこも赤字出荷。
  • ソフトウェアは大手アプリケーションベンダが先行投資として参入したのでRFIDのミドルウェア機能はオマケ扱いになりまともな値段を付けられない。
  • サプライヤーは現在RFID関連コストは持ち出しで、まともな費用対効果が出てくるのはサプライチェーンでタグ情報を共有できるようになってからだがいつになるか分からない。このためRFIDシステム導入も単純なSlap-and-Ship案件のみとなり差別化ができず利幅も小さい。つまりはSIでも利益は出せない。
  • 導入を主導しているWal-Martなどは導入メリットは出ていると言っているが、少なくとも付きあっているベンダに大きな儲けがあるとは思えない。

結局、EPC Globalのサプライチェーン用途については、ビジネスの立ち上げに手間取っている間に大資本が小さいマーケットに殺到し、いわゆるペンペン草も生えない状態になってしまった気がする。マーケットは小さいが工夫次第で差別化ができるセンサータグに業界の注目が集まるのも止むをえないだろう。

この状態をどう打開するのか。業界団体などを中心に、業界全体での導入スケジュールの作成やデータ共有への取り組みを行うのが一つの解決策だと思うが、さてアメリカの解答は。

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2006/02/01

RFID Journalとは

RFID Journalはアメリカ最大、そしておそらく唯一の紙媒体展開を行なっている無線タグ情報誌。去年にRFID Operationsという雑誌が創刊されたのだが、すぐに廃刊になってしまった(正確にはWebコンテンツはRFID Newsに、紙媒体はre:IDという業務用無線機器の総合誌に、それぞれ吸収された)。それを考えると日経RFIDテクノロジーは想像以上に頑張っていると思う。

RFID Journalは、季刊の紙媒体、随時webにポストされるニュース中心の記事、そして週の記事へのリンクをまとめた週間のメルマガからなる。 この雑誌の長所は情報量の多さ。他のサイトやメルマガはRFID関係のニュースを断片的にしか取り上げないことも多いが、本誌はニュースを追うことで業界動向を把握することができる。 悪い点は、業界に不利な記事があまり載らないこと。特に業界の雰囲気のようなものは悪い方についてはなかなか出てこない。ほかのメディアを併用する必要がある。

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