2018/08/10

RFID Journal 抄訳 2018/08/10号

今週気になった記事は中国アリババグループのSmartrac社への出資。QRブームの親玉がなぜNFCに、と思う人も多いでしょうが、偽造品や横流しの防止という用途ではNFCにメリットがあり、アリババはそのメリットを取りに行っている、ということだと思います。ただ他の用途への展開ももちろんありうるはずで、今後の展開が気になります。

ロシアW杯でのサッカーボールへのNFCタグ組込み、プーチンからトランプへの贈り物として一般紙でもゴシップ的に取り上げられましたが、RFID Journalでも取り上げられました。アメフトではボールや選手に各種のセンサーを入れて実況に使うことが始まっていますが、サッカーはゲーム性が違ってそういうニーズはあまり無いのでしょうね。

識者投稿では「Hospital 4.0」という概念が取り上げられています。名前の通り「インダストリー4.0」の病院版のようで、検索しても日本の記事はまったく引っかかって来ませんが、ヨーロッパを中心に使われ始めているようです。今後どう広がっていくか、日本に入ってくるのか、注目です。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Technology Scores Ticketing, Brand Engagement at World Cup

今年のロシアワールドカップではサッカーボールにNFCタグが組み込まれていたことが話題になりましたが、それに加えて試合のチケットにもNXP 13.56MHz MIFARE Ultralight EV1チップが組み込まれていました。ワールドカップのチケットには2006年のワールドカップで最初にRFIDチップが組み込まれました。

Integrated BLE-NFC Solution Opens the Door to Mobile Access

Nedap社は企業のアクセス管理にスマートフォンを利用するソリューションMACEを提供しています。このソリューションはNFCだけではなくてBLEやバーコードも利用できるようになっています。

Alibaba Invests in Smartrac, Takes a Seat on the Board

中国のAlibaba GroupはSmartrac社に出資しました。投資額は公開されていませんが主要株主のJ.P.Morgan社はまだ支配権を保有しています。Alibabaの出資目的は偽造品の流通防止と消費者への情報提供です。

ABRFID to Deliver IoT RFID Award in August

ブラジルのRFID業界団体であるABRFIDは8月に開催されるLATAM Retail Showで2018 IoT RFID Awardの授与式を行います。今年は事例、人物に加え、学術論文に対する授与も行われます。

RFID News Roundup

  • Identiv社は偽造防止用の耐タンパRFIDラベルを発表
  • Checkpoint Systems社が新たなRFIDソリューションを発表
  • Rockwell Automation showcases IIoT applications
  • Scandit社がAR向けのIoTソリューションでシリーズBの資金調達を実施
  • ソラコムがIoTデバイス向けのプロビジョニングサービスを発表
  • テンセントがLoRa Allianceへの参加とLoRaWANネットワークの提供を発表

Hospital 4.0 and Connectivity in the Health Sector

患者の体の各部のバイタルデータを大量に収集し、それを用いてAIで判断を行う「Hospital 4.0」という概念が登場しつつあります。

Scalpers Deploys RFID Across 150 Stores(有償記事)

ファッション小売チェーンのScalpersは、全世界150店舗を対象にRFIDによるサプライチェーン管理システムを導入中です。同社はNedap社のRFIDソリューションを9店舗に試験導入し、その結果が良好であったため、全店舗への展開を決めました。

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2018/08/03

RFID Journal 抄訳 2018/08/03号

今週気になったのはSTMicroeletronics社のType 5規格対応NFCチップの記事。NFCタグが70cmの距離から読み取りができると、ユースケースがずいぶん変わってくると思います。この規格に対応したタグやリーダーだけではなく、新たに出てくるサービスにも注目したいですね。

Simble Robotics社の棚卸ロボットの記事も興味深かったです。地上走行型のロボットはドローンの登場で注目度が薄れた感がありますが、それは地に足のついた普及にとっては悪いことではないと思います。本来は日本のメーカーの得意な分野でもあると思うので、日本メーカーも頑張ってほしいですね。

Tallyrobotsimberobotics

なお、元記事はこちらになります。

FreeWave Technologies Provides UHF Video Streams, Manages Volcano Conditions

FreeWave Technologies社は900MHzのUHF帯を利用してビデオカメラの画像を送信するソリューションを開発しました。同社はWiFiの利用も検討しましたが、消費電力が大きくなるため断念しました。同社によると900MHz帯を用いたビデオカメラの画像の送信は世界初とのことです。

Awarepoint Assets Transferred to CenTrak Subsidiary

RTLSベンダーのCenTrak社は同業のAwarepoint社の資産とスタッフを継承しました。Awarepoint社は主に病院向けにBluetoothとZigbeeのRTLSを提供している会社です。Awarepoint社のオフィスは既に閉鎖されていますが、製品は引き続き提供されます。

Simbe Robotics Brings RFID to Computer Vision Robot

Simbe Robotics社は自社の棚卸ロボットTallyにRFIDリーダーを搭載しました。同社は2015年にTallyの最初のバージョンを発売し、それには画像認識による棚卸し機能のみが搭載されていました。ですが、画像認識だけではアパレル製品のサイズ違いなどを正しく識別できないため、RFID読み取り機能が追加されました。最新のバージョンでは画像認識とRFIDの両方を利用することができます。

IoT Opens Doors to Home Connectivity

スウェーデンの窓・扉メーカーのInwido社はIoTを利用した遠隔管理ソリューションを提供しています。このソリューションは建物の利用状況に応じて扉や窓の鍵をかけたり、室内の温度や明るさが適切になるようにブラインドを上げ下げしたり、室内のCO2濃度が上昇したら窓を開いて換気を行ったりします。このソリューションはセンサーとの無線通信にZ-Waveを利用し、ソフトウェアはクラウドベースのWatson IoT Platformを活用しています。

New Type 5 NFC Chip Boasts Long Range, Tamper Detection

STMicroeletronics社はType 5規格に対応したNFCチップST25TVをリリースしました。このチップは近傍型規格であるISO 15693との互換性を持っており、70cm程度の距離から利用可能であるため図書館での持ち出し検出などに対応してます。また、複製防止のためのデジタル署名、パスワードによる保護などのセキュリティ機能も持ちます。

Operationalizing IoT Data to Drive Revenue in the Enterprise

企業がIoTデータを活用して業務を改善していくためには以下のようなステップを踏む必要があります。

  • IoTデータのポテンシャルを理解する
  • 導入の進捗に合わせてデータの収集方法を修正していく
  • 収集したデータを業務変革のためのアプリケーションと統合する
  • データの流れが収益に流れになるようなソリューションを作る

Hellenic Army Finds Reduction in Time and Cost With RFID in Supply Chain(有償記事)

ギリシャ軍はRFIDを用いた兵站管理のテストを完了しました。このテストは米軍も利用しているSavi社のアクティブタグを利用したもので、過去1年間に4つの港でテストを実施しました。同軍はこのテストの結果を踏まえて導入の可否を検討していく予定です。

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2018/07/27

RFID Journal 抄訳 2018/07/27号

元記事では過去に掲載された記事への再リンクが多くなっていて、それを除くと件数は少なめです。

今週面白いなと思ったのはRFIDを利用する家庭用スパイスサーバーを開発しているベンチャー企業の話。日本のセンスだとどこまでのニーズがあるかよく判らないのですが、惹かれる楽しいニュースなのは間違いありません。

スタンフォード大学のスピンオフ企業が手掛ける、WiFiネットワークに相乗りするセンサータグの話も興味深かったです。この記事だけでは技術的な詳細をつかむことができなかったので、もうちょっと勉強してみたいですね。

なお、元記事はこちらになります。

Tracking Brazilian Clothes Made in China

ブラジルのiTag RFID Smart Labels社は台湾のPrintronixと提携し、アジアで縫製されて中国に輸入されるアパレルに個品タグ付けを行うソリューションを提供します。

NFC Spices Up Meals for Intelligent Rack Users

ベンチャー企業のTasteTro社はRFIDを利用する家庭用のスパイスサーバーを開発中です。このスパイスサーバーは20種類のスパイスを格納し、レシピに合わせて必要な分量を取り出せるというもので、各スパイスのケースにNFCタグが貼付されてケースが正しい場所に設置されているかや十分な残量があるかを検知し、本体はBluetoothでスマホに接続されて必要なレシピの設定を行います。この製品は2019年第一四半期に出荷予定です。

Sensor Data, Images Hitch Ride With Wi-Fi-based Solution

スタンフォード大学のスピンオフ企業であるWavelite社はWiFiネットワークを活用したセンサータグHitchHikeを開発しています。HitchHikeのタグは受診したWiFiの電波を電力に変えて起動し、受診した信号を加工して転送することで専用に設定されたWiFi端末にセンサーデータを送信します。

RFID Goes Out to Pasture, Matching Ewes With Lambs

テキサスA&M大学は羊の交配のためにRFIDを利用する実験を行っています。農家は羊毛を効率よく生産する羊を繁殖できるように交配をコントロールしようとしますが、羊は牧場で自由に移動できるため、所在の管理は簡単ではありません。同大学の研究者は、それぞれの羊の耳にSapien社のLFパッシブタグを貼付し、水飲み場に来た時に読み取りを行うことで、羊の行動を記録して分析に役立てます。

RFID By Any Other Name

技術ベンダーの間にはRFIDの幻滅期の間に着いたネガティブなイメージを避けようと、自社の製品を別の技術用語でブランディングしようとするところがあります。これは愚かな動きです。すべての技術は本格的な普及に先立って必ず幻滅期を通るので、そのようなブランディングをすることは、ようやく幻滅期を脱した技術ブランドを捨て、これから幻滅期に入る技術ブランドを採用しようとすることだからです。

Smart Cows and How Not to Design IoT Products to Fail

IoTデバイスが実環境で適切に動作するかどうかには5つの重要な要素が関わってきます。輻輳、電波干渉、アクセスポイント間のローミング、ファームウェア更新などによる互換性の喪失、セキュリティ侵害がその5つです。

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2018/07/21

RFID Journal 抄訳 2018/07/20号

今週は比較的地味な記事が並びました。

編集後記によるとRFID Journalが小売業向けのデジタルトランスフォーメーションの白書を制作中とのこと。同誌ならではのRFIDの様々な切り口が掲載されるものになっていてほしいですね。早く読みたいです。

SML社のRFID事業報告も興味深いです。大手は着実に事業を拡大させているんですね。

なお、元記事はこちらになります。

IoT Elevates Service and Lowers Downtime for Otis Customers

エレベーターメーカーのOtis Elevator社はエレベーターの予防保守や最適配車などを実現するIoTソリューション、Otis ONEを提供しています。このソリューションはドアの開閉の動作やエレベーターの加速など、従来は取得されていないデータも活用しています。Otis ONEは半年前に稼働しました。

SML Produced 1.4 Billion Tags for Retailers in 2017

SML社は2017年に14億枚のRFIDタグを販売し、同社のタグは世界の小売向けRFID案件の95%で採用されていると発表しました。小売向けのRFIDソリューションの年平均伸び率は30%で、RFID業界全体の伸び率を上回っています。

IoT Cuts Water Use, Boosts Yield for Asparagus Farm

有機農場のDevine Organicsはアスパラガスの栽培にIoTを活用しています。農場のあるカリフォルニア州は水が不足しており、農場は水の利用を細かく管理する必要があります。同農場ではLoRaで通信を行うワイヤレスセンサーを導入して土壌の水分含有率を測定することで、水の使用量を6%削減しながら収穫量をほぼ倍増させました。

UWB Brings Mapping Services Indoors

測位サービスのベンダーであるHERE Technologies社は屋内での高精度測位技術としてDecawave社のUWBソリューションを採用しました。UWBソリューションは3次元で10センチメートルの精度で即位を行うことができるため、WiFiやBluetoothビーコンでは精度が不足する、製造現場や倉庫での測位に利用されます。

Stora Enso to Be Cornerstone Sponsor of RFID Journal LIVE! Europe 2018

11月7日にロンドンで開催されるRFID Journal LIVE! Europe 2018で、RFIDソリューションプロバイダーのStora Enso社がコーナーストーンスポンサーになることが決定しました。今回のRFID Journal LIVE! Europeは第14回目となり、小売業トラックとそれ以外のトラックの2つのトラックで開催されます。

RFID News Roundup

  • Checkpoint Systems社とImpinj社がオーバーン大学認定RFIDタグの製造で協力
  • Smartrac社がNXP社のUCODE 8を搭載したRFIDインレーのBeltを発表

Digital Transformation Must Be Wholistic

RFID Journalは小売業向けのデジタルトランスフォーメーションの白書を制作中です。小売業のデジタルトランスフォーメーションはマーケティング的な側面に注目が当たりがちですが、商品を必要な分量だけ調達して店舗やWebストアに並べ、オンラインで各店舗のものも含む在庫を確認できるようにする必要があります。デジタルトランスフォーメーションは企業全体をカバーするものでなければなりません。

The Crossroads of Communications and RFID

スマートフォンは通信機能を持つだけではなくバーコードやRFIDタグを読み取ることもできるようになっており、持ち運びのできる業務端末として重要になりつつあります。

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2018/07/14

RFID World Watcher Monthly June 2018

RFID Journal LIVE!が終わって一息ついた時期であり、製品・事例ともに記事が多く、またパッシブUHF、NFCから独自Active、Bluetoothビーコンまで幅広い技術が取り上げられていました。

RFID World Watcher Monthly June 2018(PDF形式、234KB)

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2018/07/06

RFID Journal 抄訳 2018/07/06号

今週気になった記事はダイヘンのRFID生産管理のニュース。クリーンルームでの乾燥処理の工程管理に利用しているようですが、日本のメディアでは報道を見ていない気がします。どういうルートでRFID Journalに伝わったのかちょっと気になります。

識者投稿はIoTを使ったサプライチェーン管理で起こりうる落とし穴の話。MRPを例にとり、在庫量が最適水準よりも高い状態と低い状態が繰り返されるという症状のお話なのですが、Bimodal Inventory Distributionと言うらしいこの症状、検索してもほとんどヒットしません。MRPの世界では有名な概念なのでしょうか。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Brings Visibility, Analytics to Conditions and Status of Electronics Under Assembly

日本の産業用電機メーカーのダイヘンはRFIDを利用した生産管理を行っています。同社が製造する精密機械ではクリーンルームで乾燥を行うという工程がありますが、機器ごとにクリーンルームに滞在した時間を監視することは大きな作業負担になっていました。同社はFogHorn Systems社のソリューションを導入し、この作業を自動化しました。

Store Reduces Checkout Time by 80 Percent

ブラジルで化粧品の訪問販売を行うMari Semi Joias社はRFIDを用いて販売員の実績管理を行います。販売員が持ち出す商品の確認は従来は人手で行われ、毎回30分を要していましたが、RFIDシステムを導入して自動で読み取りを行うようにした結果、確認時間が6分に短縮されました。

IoT Manages Nutrient-Rich Milling in Africa

ボランティア団体のSankuはアフリカで小麦にビタミンやミネラルを添加して地域に提供する活動を行っています。同団体は地域ごとに小規模な工場と提携しているため、添加剤を定期的に補充するための活動には非常に手間がかかりました。同団体はIoTソリューションを導入し、添加剤の使用量をデータセンターに送信するようにしました。

Thermocouple Solution Tracks Location, Status of Temperature Sensors

熱電対メーカーのTE Wire&Cable社は製品の需要管理のためにPlataine社のRFIDソリューションを導入しました。熱電対とは異なる材料の金属線を接続して温度差を計測するセンサーですが、製品に寿命があるため一定の回数を超えて利用することができません。TE Wire&Cable社は製品にUHFパッシブタグを貼付し、製品をセットする取り付け口にリーダーを設置することで、使用回数を自動的に記録し、寿命に対するアラートを発行することができます。

RFID News Roundup

  • Feig Electronics社が人間の所在確認むけのUHF RFIDリーダーを発表
  • Teslonix社とCISC Semiconductor社がIoTとRFIDのテストソリューションで協業
  • Nordic Semiconductor社がBLEデバイスの無線性能評価向けのLitePointを検証
  • Smartrac社がオハイオ州でRFIDビジネスを拡大
  • IntelliGuard社がProdigy Health社のオンサイト在庫プログラムのサポート契約を獲得
  • Industrial Internet Consortiumがthe Journal of Innovationのデータ版を公開

Tracking Asylum Seekers via RFID

アメリカで不法移民の施設収容時のトラブルが話題になっています。RFIDリストバンドを使うと、誰がどこにいるということを正確に管理することができます。

Learned Lessons from MRP and the Promise of the IoT

IoTをサプライチェーン管理に利用しようとする場合、同じ目的で導入されたMRP(資材所要量計画)の経験が役に立ちます。MRPではしばしば「間違ったことを素早く行う」という状況になり、在庫が多すぎる状態と少なすぎる状態の間を振幅する状況を引き起こします。このような状況を防ぐには慎重な計画が必要です。

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2018/06/28

RFID Journal 抄訳 2018/06/28号

今回興味深かったのはMastercard社とVisa社がNFCを用いたモバイルウォレットサービスのOEM提供を開始したというニュース。日本でもNFC Payが普及したら投入してほしいですね。

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Savi社とアメリカ国防総省との契約、最近ニュースで取り上げられることは少なくなりましたが地道に進められているんですね。どこかで最新の状況の包括的な情報を知ることができれば、と思います。

なお、元記事はこちらになります。

Savi, DoD Contract Brings Cellular Connectivity, Mobility to Asset Management

アメリカ国防総省はSavi社と締結した物資のトラッキング契約を1年間延長し、RFIDに加えて携帯電話でも通信する機能を拡張するよう指示しました。同社は2013年から国防総省のRFID関連サービスの95パーセントを提供しています。

NFC Payment Solution Links NXP Technology With Visa, Mastercard

Mastercard社とVisa社はNXP Semiconductors社と提携し、NFCを用いたモバイルウォレットサービスのOEMでの提供を開始しました。時計会社のモンブラン社がこのサービスを利用する最初の会社となりました。

RFID4U Sees Growth in Field Inventory Tracking

RFID4U社は倉庫外の現場在庫の管理方法に関するWebセミナーを開催しました。同社はTagMatiks Field Inventoryというソリューションを販売しており、病院での委託在庫や石油・ガス業界での採掘現場の在庫など、さまざまな顧客ニーズに対応することができます。

Piticas Reduces Inventory Counts from Five Hours to Six Minutes

ブラジルの小売チェーンPiticas社はRFIDを使った店舗在庫管理システムの導入を進めています。同社の店舗は12平米ほどの小さなキオスクが中心で、店舗の商品種類は1300種類、2300個と、極めて高密度で多品種少量の在庫を持ちます。このため、RFIDによる棚卸しを導入することで、作業時間を5時間から6分へと大きく短縮することができました。同社は330店舗のうち40店舗でRFIDシステムの導入を完了しています。

RFID News Roundup

  • Smartrac社が高難度アプリケーション向けにNFCのポートフォリオを拡充
  • Arm社がStream Technologies社を買収、IoTデバイス管理プラットフォームを発表
  • Stanley Healthcare社とExtronics社が複数年パートナーシップ契約を締結
  • STMicroelectronics社がIoTファームウェア開発ツールを発表
  • People Power社がGDPR認証を取得
  • Homerton University Hospital NHS Foundation TrustがIdox Health社の資産管理システムを導入
  • Techstars社とBHS社がメンター主導のIoTアクセラレーターをヨーロッパで展開

Are High-Paid U.S. CEOs Risk-Averse?

アメリカの企業のCEOは報酬の大部分をストックオプションなどの成果報酬で得ています。これらの成果報酬は3年以内で権利が確定するため、成果が出るまでそれ以上の期間を要するRFID導入のようなプロジェクトを手掛けることはCEO個人の利益になりません。私はこのことが原因でアメリカのCEOが過度にリスク回避的になっているのではと疑っています。

Three Requirements for the Next Generation of Connected Cars

コネクテッドカーが普及するためには、何十年も利用することができる安定した技術を採用すること、関連企業が協力して仕様を策定すること、仕様がきちんと標準化されることの3点が重要です。

RFID Cuts Worker Alert Response Time in Half(有償記事)

大手建設会社のGilbane Building社は建設現場での従業員の所在管理にRFIDを利用しています。同社は従業員に900MHzのアクティブタグを持たせており、アクティブタグは転落などの事故を検出することができるため、事故発生時の対応時間を短縮できるほか、事故につながりかねない危険な行動を抑制する効果もあります。

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2018/06/22

RFID Journal 抄訳 2018/06/22号

今週気になったのはUHFパッシブ対応の電子ペーパー搭載RFIDラベル。コンセプトモデルの存在は知っていましたがいよいよ評価キットの出荷が近づいてきました。面白い使い方のできる製品だと思います。

Powercast1

IoT機器のセキュリティに関するレポートも興味深いです。必ずしも従来のTCP/IPネットワークに直接接続できるデバイスでなくても、いろいろな攻撃の踏み台として利用される可能性はあるはず。時間を作って読んでみたいですね。

編集後記はAIを使って在庫の推計をする製品の話。記事にある通り、特にアパレル分野などでは最後の一個をいかに売り切るか、その一方で在庫切れ品を販売してしまわないようにするか、がポイントになるので、推計値の価値は限定的ではないかと思います。定番商品を在庫切れを起こさないように管理することが目的なら価値はありますが。

なお、元記事はこちらになります。

New Label Changes Displayed Price Data With Power from RFID

Powercast社は外部給電なしで動作する電子ペーパー搭載RFIDラベルを開発しています。このラベルはUHFパッシブで動作し、固定リーダーであれば10m、ハンドヘルドリーダーであれば2mの距離から、UHFラベルの書き換えが可能になります。固定リーダーで遠距離から書き換える場合にはタグ1枚当たり45秒の時間がかかるので、夜間にバッチ処理で書き換えるような運用が向きます。この製品の評価キットは2018年の第4四半期に出荷される予定です。

RFID Enables Use of Non-synthetic Cleaner by Tracking Expirations

Paradigm Convergence Technologies(PCT)社は微酸性電解水を利用した殺菌清掃システムの管理にRFIDを利用しています。微酸性電解水は分解して食塩水に戻るため薬品を使えない環境での殺菌清掃に有効ですが、分解するため溶液の期限管理を厳密に行う必要があります。PCT社はボトルにNFCタグを貼付し、ボトルを持ち出す際に専用キオスクで期限をチェックすることで、期限切れのボトルが利用されることを防ぎます。

Pinnpoint, Smartrac Team Up With Lexmark for RFID Printing

RFIDタグメーカーのSmartrac社とラベルメーカーのPinnpoint社はLexmark社のRFIDラベルプリンタを利用する返品物流のRFIDラベリングのためのソリューションを提供しています。返品物流は小売業の大きな負担になりつつありますが、RFIDラベルを返品を受け付けた店舗でオンサイトで作成することで、返品物流のビジビリティを大幅に向上させることができます。

Security Firm's Study Finds Thousands of IoT Devices on Company Networks

Infoblox社はIoT機器のセキュリティに関するレポート"What's lurking on your network: Exposing the threat of shadow devices"を発行しました。このレポートによると、 オフィスの中に存在するIoTデバイスはフィットネストラッカーやスマート家電などを含めると従業員数の10倍以上になることがあり、DDoS攻撃などの温床になる可能性があります。

RFID News Roundup

  • NXP Semiconductors社とBaidu Cloud社が中国のIoTセキュリティで提携
  • Mojix社がSTARflex RFIDリーダーをアップグレード
  • Balluff社がRFIDセーフティーガードロックを発表
  • Teslonix社とCISC Semiconductor社がIoT-RFIDリーダーとテストソリューションで提携
  • Kerlink社がGoogle Cloud IoTとLoRaWANの統合製品を発表
  • Rivetz社とTrustonic社がブロックチェーン対応アプリのセキュリティを拡張
  • Broadgnss Technology社が高精度測位可能技術を搭載したGPSレシーバーを発表

Inventory Accuracy Without RFID?

RFIDを使った棚卸を行わずにソフトウェアで正確な在庫を算出するという触れ込みの製品があります。これらの製品は従業員の棚卸作業のエラー率や盗難率などを基に特定時点での在庫数を計算するものです。これら製品は原理上一定の誤差が生じてしまうため、オムニチャネルで最後の1品を売り切ってしまうという用途には用いることができず、RFIDによる棚卸しにとって代わるものではありません。

RFID Asset-Tracking Technology for Warehouse Relocation

倉庫の引っ越しを行う際にはRFIDを利用することで作業効率を上げたり紛失を防止したりといったメリットを得ることができます。

Aerospace Company Gains Efficiency Threefold With RFID(有償記事)

航空宇宙メーカーのBAE Systems社は仕掛品管理、在庫管理、資産・機材管理を目的としたRFIDソリューションを導入しました。このソリューションではUHFパッシブタグとImpinj社およびMojix社のリーダーが使われています。このソリューションはボーイングの子会社のTapestry Solutionsが提供するIoTプラットフォーム、Enterprise Sensor Integration (ESI)を利用したものです。

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2018/06/15

RFID Journal 抄訳 2018/06/15号

今週気になったのはiPS細胞塊(オルガノイド)をRFIDチップで識別するという話。横浜市立大医学部の武部貴則教授のチームが開発したようなんだけれど、日本のメディアで取り上げられているのを見たことが無い気がします。

Organoids1

ドローンを使った油田採掘用の金属パイプのRFID棚卸しの話。可能だという話やトライアルをやったという話はずいぶん前からニュースに出ていますが、実用化も着実に進んでいるんですね。

編集後記で出ていたIATAのRFID手荷物のトラッキング標準作成の話。良いニュースではあるのですが、正直まだその段階だったのかという印象も。とっくの昔に標準作成は終わり各社の導入待ちというステージになっていたと認識していましたが...

なお、元記事はこちらになります。

RFID-enabled Organoids Offer Aid in Scientific Research

横浜市立大医学部の武部貴則教授はiPS細胞から培養した細胞塊(オルガノイド)の識別のため、細胞塊にRFIDチップを直接埋め込む手法を開発しました。この手法は、細胞塊が成長後にRFIDチップを埋め込むのではなく、RFIDチップに付着したiPS細胞がチップを包み込むように成長していくというものです。RFIDチップは0.4ミリ角で512バイトのメモリを持ちます。

Fracking Companies Track Iron via RFID-enabled App

石油・ガス掘削機材の大手メーカーWeir社は、掘削機材のトラッキングをRFIDとスマートフォンアプリで行うソリューションを顧客に提供しています。同社はもともと社内のビジビリティのために機材にRFIDタグを貼付していましたが、機材が顧客に渡った後もタグが残っていることを利用してこのソリューションを開発しました。利用しているのはRFID4U社のUHFパッシブタグです。

Drone RFID Read Rate Hovers Near 100 Percent in Oil Fields

カリフォルニア州立工科大学のスピンオフ企業であるProcess Expert社は油田の採掘に利用される金属パイプの棚卸にRFIDとドローンを利用するソリューションを提供しています。油田では数十万本のパイプの棚卸が必要とされる場合がありますが、このソリューションでは精度が95~100パーセントを提供します。利用しているのはUHFパッシブタグです。

Brazilian Retail Chain Reduces Overtime Costs

ブラジルの小売りチェーンLojas Ki Barato社は店舗での在庫管理を目的としてRFIDソリューションを導入しました。ソリューションはITAG社が提供しました。

BLE-enabled HomeBridge Brings Beacons to Home Automation

ネットワーク機器ベンダーのVolansys社は、自社のホームオートメーションゲートウェイ製品にHomeBridgeにBluetooth 5.0対応機能を組み込みました。同社の既存製品はWiFiとZigBeeに対応しており、Bluetooth 5.0への対応により各種のホームオートメーション機器のインターネットへの接続を統合して処理することができます。製品はすでにパイロット導入が実施中で、今年の第2四半期中に販売が開始される予定です。

RFID News Roundup

  • Wade Garcia社とInCom社がRFID利用の出席管理システムのライセンスで提携
  • iDTRONIC社がハンドヘルドRFIDリーダーの新製品を発表
  • STMicroelectronic社のNFC技術がTCL communication社のスマートフォンに搭載
  • Electric Imp社は携帯ネットワークを用いたIoTサービスを発表
  • Quuppa社がインドア測位サービスのパートナーイベントを開催

Airline Industry Embraces RFID Baggage Tracking

IATA(国際航空運送協会)はRFIDを用いて手荷物のトラッキングを行うための標準を作成することを議決しました。IATAは航空手荷物の世界的なロールアウトを2020年までに実施することを目標にしています。

Sorting Out Security: Making Sense of Today's Solutions

IoTのセキュリティのためには、適切な暗号化の実施と、プロセッサー上での処理の分離が重要な役割を果たします。

Patti Engineering Solves RFID Challenges at Manufacturing and Distribution Site(有償記事)

産業機械メーカーのPatti Engineering社は顧客の物流センターでトレイとパレットのトラッキングをRFIDを用いて実施するソリューションを導入しました。利用している技術はUHFパッシブで、Siemens社のリーダーが採用されました。

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2018/06/08

RFID World Watcher Monthly May 2018

今月は製品に関する記事が多め。ロボットから小型ラベルプリンタまで、楽しい製品が並んでいます。

RFID World Watcher Monthly May 2018(PDF形式、225KB)

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