2017/02/16

RFID Journal 抄訳 2017/02/16号

今週興味深かった記事はスズケンのRFID対応医薬品流通管理ソリューションCubixxの導入です。調べてみたら日本でもプレスリリースが出ていたのですが当時は記事になっていなかった気が…。日本ではあまりニュース性が無かったということでしょうか。

RFIDに対応した義手もへぇーと思った記事です。技術的には必ずしもスマートではないのでしょうか、こういうアプローチで現時点での技術的な課題の解決になるのなら、それはとても良いことではないかと思います。

なお、元記事はこちらになります。

Suzuken Group Deploys RFID-Enabled Coolers for Drug Tracking

日本の製薬会社スズケンはAmerisourceBergen社のRFID対応医薬品流通管理ソリューションCubixxを導入しました。このソリューションは温度センサー付きUHFタグを貼付した専用通い箱を利用するものです。

Infinite Biomedical Technologies Releases HF Version of RFID-Enabled Prosthetic Hand With Locking Capability

Infinite Biomedical Technologies社はRFIDに対応した義手を開発しています。この製品では患者が義手で握る可能性のあるものにRFIDタグを取り付け、タグの読み取り情報を元に握り加減を調整します。従来はLFタグを利用していましたが、より高速な読み取りのためにHFタグを利用した製品の評価が進んでいます。

Asian Art Museum Enhances Visitor Experience With BLE Beacons

サンフランシスコの美術館Asian Art MuseumはRFIDを利用した様々な顧客体験に取り組んでいます。1年前に来訪者ごとにカスタマイズした展示情報を提供するためにBluetoothビーコンを導入したほか、現在は顧客の持つRFIDタグを読み取ってダイナミックに展示を切り替える機能を実現しようとしています。

Prime Vision to Offer RFID-enabled Packaging System

ThinFilm社とPrime Vision社は共同でRFIDに対応したスマートパッケージシステムを提供します。このソリューションはe-コマースでの利用を想定するもので、ThinFilm社のOpenSense、SpeedTapの両NFCタグをパッケージに貼付することで、顧客が荷動きの情報や商品情報などをNFC対応のスマホで読み取れるようにするものです。

RFID News Roundup

  • サトーヘルスケアが三重大学病院とRFIDリストバンドで提携
  • Datalogicm社がリーダーと温度ロガーの新製品を発表
  • MSS Software社が過酷環境向けのモバイルリーダーを発表
  • TagMaster社がアクセス管理用の小型UHFリーダーを発表
  • Imec社がプラスチックのNFCタグを発表

RFID Consortium Brings Order to UHF Patents

Convergence Systems社がUHFパッシブRFIDのパテントプールRFID Consortiumに参加しました。これはRFID業界の成熟を示す出来事です。

Developing the Backbone of the Internet of Things

一般的なIoTデバイスは低機能・低価格になることが予想され、メーカーがSoC(system-on-a-chip)のために巨額の投資を行っていては割に合いません。このようなデバイスには複数の部品をパッケージ化するSiP(system-in-a-package)というアプローチのほうが適しています。

RFID Predicts Eruptions for Nicaraguan Volcano(有償記事)

ニカラグアの火山Masayaでは噴火活動の監視にRFIDタグが利用されています。これはQwake社の製品で、900MHzアクティブタグでセンサーネットワークを構成し、太陽電池で駆動、各種のセンサーを搭載して観測データを送信します。

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2017/02/10

RFID Journal 抄訳 2017/02/10号

今週興味深かったのは編集後記。NRFのBig Showで大手SIベンダーがRFID関係の展示を今年から再開したという話です。今後のRFIDの普及のためにはホールプロダクトが重要であることを考えると、こういう動きは心強いですね。

もう一つ気になったのはインドのシャツメーカーが作る袖口にNFCタグを埋め込んだシャツ。44ドルだそうで、機会があれば仕立ててみたいなぁ。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Stacks Up for Paper Roll Management

サウジアラビアの製紙会社Arab Paper Manufacturing社は製造した紙ロールの倉庫内での管理にRFIDを利用しています。利用しているのはUHFパッシブタグです。

Food Company Pilots UHF RFID to Enhance Pig Life History

ドイツの食品メーカーTonnies Livestock社は豚の成育のトレーサビリティーのためにRFIDを利用しています。利用しているのはUHFパッシブタグで、耳に取り付けるタイプの製品です。

Arvind Uses RFID to Smarten Up Arrow Dress Shirt

インドの衣料メーカーArvind社は、左手の袖口にNFCタグを埋め込んだシャツArrow Smart Shirtを販売しています。NFC機能を内蔵したスマホで袖口を読み取ると、名刺データをダウンロードしたりSNSにアクセスしたりすることができます。シャツの価格は44ドルと、インドの通常のシャツの価格と同等です。

DynaLogger Provides UHF RFID Temperature and Moisture Tracking

ブラジルのDynaLogger社はUHFセミパッシブタグを用いた冷蔵貨物監視用のタグDynaLoggerを販売しています。このタグはEM Microelectronic社のUHF RFIDチップEM4325を採用しています。タグの価格は25ドル以下です。

LIVE! 2017 to Feature RFID Professional Institute Certification and Fast-Track RFID Training Course

5月9日~11日にアリゾナ州フェニックスで開催されるRFID Journal LIVE! 2017では同時開催コースとして教育ベンダーRFID4U社が提供するRFID Professional Institute試験向けのコースが提供されます。コースの最後には受験がセットされ、海上で認定を受けることが可能です。

RFID News Roundup

  • Identiv社が入館証向け高セキュリティHFタグを発表
  • Vizinex RFID社が複数の表面向けに超不可能なタグを発表
  • Keonn Technologies社がクロスセリング向けのインタラクティブディスプレイを発表
  • Microsoft社がブロックチェインを利用した物品トラッキングプロジェクトを提供
  • Red Ledge社がRFIDとIoTに対応したオープンなアセット管理システムを発表
  • Bristol ID Technologies社が経営陣を拡張

Observations from NRF's Big Show, Part 2

先日開催されたNRF Big ShowではRFIDの認知が着実に回復していることが感じられ、一時はRFID関連の展示を取りやめていたIBMやSAP、Microsoftなどの大手ITベンダの展示ブースにもRFID関連の展示品が見かけられるようになりました。ですが、RFIDに何ができるか、どのようなソリューションに必要かについての知識はまだ十分に広まっていません。

FCC to IoT Device Vendors: Implement Cybersecurity Now or We May Force You To

最近のIoT機器を用いた大規模サイバー攻撃を受け、アメリカの連邦通信委員会はIoTベンダーを対象としてセキュリティを満たすIoT機材に対するインセンティブと法的な規制を導入するというホワイトペーパー「Cybersecurity Risk Reduction」を公表しました。

Erste Group Banks on RFID(有償記事)

オーストリアの銀行ErsteはNFCリストバンドやステッカーを用いた決済サービスを提供しています。

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2017/02/05

RFID World Watcher Monthly December 2016

今月の特集記事は2016年のRFID十大ニュース。今年の展開が気にかかります。ニュースは見返してみると新製品紹介の比率が高くなっていました。買収による編集方針の変化でしょうか。

RFID World Watcher Monthly December 2016 (PDF形式、369KB)

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2017/02/02

RFID Journal 抄訳 2017/02/02号

今週気になった記事はMacy'sのRFID導入効果レポート。この種の導入レポートが出てきてRFIDの効果を共有できることは普及のためにとても重要なことだと思います。不採算店舗の閉鎖を進めるなど困難な状況にある同社ですが、このような発信を継続されていることに敬意を表します。

今週の編集後記はNRF Big Show。RFIDベンダーがホールプロダクトへの志向を強めているとのこと。デファクトスタンダードになるプロダクトがそろそろ出てくるのかどうか、気になるところです。

なお、元記事はこちらになります。

Platt Retail Institute Finds RFID-Based Inventory Accuracy, Sales and Satisfaction Gains at Macy's

Platt Retail InstituteがMacy's社のRFID導入の効果に関するレポートを発表しました。このレポートは「店頭展示」「在庫管理」「店頭とオムニチャネルでの商品手配」「店頭への商品補充」の4つの業務を対象としたもので、それぞれRFIDの導入が業務を改善したことが確認できました。今回調査対象とならなかった需要予測などについてもRFIDの効果が出ていると考えられます。

Thomas Pink Piloting IoT System With RFID and Cameras to Manage Inventory, Traffic

イギリスの高級アパレルブランドThomas Pink社は試着状況なども含む店舗内の顧客・商品管理のためにIoTソリューションを導入しました。このソリューションはBT Global Services社が提供するAcuitas Digital Allianceという製品で、UHFパッシブRFID、カメラ、センサーなどの技術を統合して扱えます。

RFID Takes a Ride With School Bus Fare System

サウスダコタ州のバス運行機関River Cities Public TransitはICカードを用いた運賃収受システムを運行する80台のバスに導入しました。導入したのはNFC製品で、読み取りは車内に取り付けたNFC対応のタブレットで行います。

Detego, IER Offer Joint RFID-enabled Solution for Fashion Industry

イギリスのアパレル向けSIベンダーDetego社とフランスのRFIDベンダーIER社は共同でファッション業界向けのソリューションを提供します。このソリューションは店頭の在庫管理を行うもので、UHFパッシブRFIDを利用します。

RFID News Roundup

  • Convergence Systems社がRFID Consortiumのパテントライセンスに参加
  • Thinfilm社とBeneli AB社がヨーロッパでのNFCラベル事業で提携
  • River Island社がByways Group社にRFIDラベルの独占供給権を付与
  • CISC Semiconductor社が小型のRFIDテスト機材を発表
  • NXT-ID社がスマートカード向けのBLE/NFCモジュールにNordic Semiconductor社製品を採用
  • Silicon Labs社がZentri社を買収
  • Terso Solutions社がヘルスケア業界の展示会にRFID在庫管理ソリューションを出展

Observations from NRF's Big Show, Part 1

1月中旬にアメリカ最大の小売業の展示会National Retail Federation's Big Showがニューヨークで開催されました。今年のRFID関係の大きな特徴は、大手ベンダーが従来よりもより統合的なRFIDソリューションを出展していたことでした。出展されていたソリューションがユーザーに受け入れられるかはまだ分かりませんが、RFID業界がホールプロダクトを提供できるようになる方向に変化してきていることは間違いありません。

Why RFID Is the Only Viable Path for Life-Saving Smart Gun Technology

アメリカで過去17年間の銃が原因の死者は56万5千人に上り、南北戦争以降の戦争での戦死者数合計を大きく上回っています。これらの死者のうち、子供の誤操作による暴発、盗んだ銃による殺人などは、スマートガンの義務付けにより防ぐことができます。スマートガンの実装方式には指紋認証とRFID認証の2つのアプローチがありますが、初期マーケットである警察向けには過酷な環境(手袋を脱ぐ暇がない、指が血や泥で汚れている)でも確実に動作するRFID認証が必要とされます。

Hospital Updates Its Infant-Security System(有償記事)

アーカンソー州の病院Conway Regional Health Systemでは子供の連れ去り防止にRFIDリストバンドを導入しています。採用したのはStanley Healthcare社のHalo Infant Securityソリューションで、タグには耐タンパリング機能が持たされています。

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2017/01/26

RFID Journal 抄訳 2017/01/26号

今週気になった記事はMojix社の新ソリューション。Microsoft社と提携し、サプライチェーンのビジビリティデータをブロックチェーン技術で認証する機能を持ちます。RFIDとブロックチェーンの組み合わせはぽつぽつ見かけるようになってきましたが、この種のサプライチェーンビジビリティとの相性はどうなのでしょうか。さほど大きなメリットがあるとは思えないのですが…。

特集記事は先週に続いて大手RFIDベンダーのキーマンへのインタビュー。今週は今後の技術展開やサプライズの可能性など、興味深いテーマになっています。

製品紹介記事にはアスタリスク社のスマホ接続型ハンドヘルドリーダー。タグの位置を測定する機能がついているそうで、興味をそそられます。

なお、元記事はこちらになります。

Mojix's New Reader Antenna, App and Blockchain Aim for Real-Time Visibility

Mojix社は小売店舗のリアルタイム在庫管理向けのRFIDリーダー製品TurboAntennaと関連ソフトウェアを開発しました。また、同社はMicrosoft社と提携し、サプライチェーン内で発生したイベントをブロックチェーン技術で認証するためのオプションの提供も開始しました。これにより、サプライチェーン中の各プレイヤーは中央リポジトリなしで発生イベントの認証を行うことができます。

RFID Brings Intelligence and Treatment to Livestock Production

GrowSafe社は牧場での家畜の活動状況をRFIDで管理するシステムを販売しています。このシステムでは、家畜にLFタグを、飼葉桶に重量センサーとRFIDリーダーをそれぞれ取り付け、家畜がどの飼葉桶でどれだけの量のエサをいつ食べたかを自動的に記録します。

New Handheld RFID Reader Locates Tags Within Centimeters

日本のアスタリスクはスマートフォンに取り付けて動作するハンドヘルドリーダーASR-R250Gを開発しました。このリーダーは読み取ったタグの相対位置を判定することができます。

Spectrometer Sensor Chips Offer Potential for Light Sensing With RFID

ams社は可視光と近赤外線に対応したオンチップ型の分光計センサーを開発しました。これらのセンサーは単純な光の検出だけではなく、波長の変化による各種の変化を検出することができます。これによってNFCやBluetoothを利用するワイヤレスセンサーの機能が広がることが期待できます。

RFID News Roundup

  • 富士通フロンテックがアパレル、ファッション小物向けのUHFタグの新製品を発表
  • Transcends社がIoTに対応したRIFIDIの新バージョン3.6を発表、RMRS社がRIFIDI Edge Serverを導入
  • Tyco Retail Solutions社がZebra Technologies社の製品を取り扱い品目に追加
  • Checkpoint Systems社が化粧品向けのビジビリティ用RFIDタグを発表
  • Nedap社がヘビーデューティー仕様のUHFタグの新製品を発表
  • Identec社が自社のCyphertag製品向けの中距離リーダーを発表

What Would Make RFID Adoption Explode?

先週の編集後記で述べた、RFIDがリテール分野でティッピングポイントを超える条件は、一つは利用者が製品(タグ、リーダー、ソフトウェア)の組み合わせリスクを意識しなくてもよくなること、もう一つは導入の手間がかからないようにすることです。このためには機能を絞り込んだシンプルな製品が必要となるでしょう。

Databases for Small RFID Projects

RFIDシステムを利用するためには3種類のデータが必要です。一つ目は「いつ」「どこで」「何が」起きたかを格納するイベンドデータ、二つ目はイベントデータを解釈するためのマスターデータ、3つ目は個品管理をするために必要なシリアル番号データです。

RFID Trends: What's Ahead in 2017, Part 2(有償記事)

先週からの続きで、大手RFIDベンダーのキーマンへのインタビューです。今週のテーマは、コストの問題、今後の技術発展、ありうるサプライズについてです。

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2017/01/20

RFID Journal 抄訳 2017/01/20号

今週興味深かった記事は編集長Mark Roberti氏の「RFIDはアパレル分野で今年ティッピングポイントを超えるかもしれない」というもの。氏はここ数年慎重でしたが、踏み込んできた印象です。デファクトスタンダードとなりうるホールプロダクトがまだ見通せない現状では先走り感もありますが、期待して見守りたいと思います。

クルーズ客船の乗客サービス管理にNFC・BLEの複合タグを利用する話、ディズニーのマジックバンドを思い出しました。マジックバンドが報道されたのは4年前の話ですがその後は続報を見かけません。サプライチェーン事例と違い公開する意味は薄いのでノウハウを抱え込むのは自然なのですが。

今週の有償記事は主要RFIDベンダーへのインタビュー。ビジョナリー的な未来の話は出てきませんが、RFIDの普及がどこまで来ているかについて有益な情報が詰まっている内容でした。

なお、元記事はこちらになります。

JADAK to Purchase ThingMagic

医療機器メーカーのJADAK社はTrimble社からThingMagicブランド事業を買収します。JADAK社は自社の医療機器製品へのUHFパッシブRFID機能の統合を進めており、2015年には同じくRFIDベンダーのSkyeTek社を買収したところでした。ThingMagicの買収価格は2千万ドルです。

BLE, NFC Bring Concierge Service to Carnival Cruises

クルーズ客船大手Carnival Cruises社はNFC・BLEの複合タグを利用して乗客へのサービス提供を行います。このタグはOcean Medallionと呼ばれ、客室の鍵などとして利用されます。また、Bluetooth機能により乗客の所在を知ることができ、例えば客室が空室で清掃が可能かどうかを判断できます。同社はこのソリューションを今年後半に客船Regal Princessに導入する予定で、リーダーは7千か所に設置されます。

RFID Saves Man-Hours, Boosts Safety at Middle East Construction Project

中東の大手建設会社CCC社は建設現場での作業員管理にRFIDバッジを利用します。同社が採用したのはIdentec社のUHFアクティブタグを内蔵したバッヂで、LFによるエキサイター機能も搭載しています。このバッヂをゲートの入口と出口で読み取ることで、どの作業員が建設現場に入っているかを知ることができます。

Arcade Game Boosts Play With RFID

Smart Industries社はRFIDに対応したUFOキャッチャーTicket Smartsをゲームセンターに販売しています。Ticket SmartsはUFOキャッチャーの賞品にUHFパッシブタグを貼付し、商品ごとにポイントを付与します。ゲームをプレイする人はIDカードでポイントを受け取り、ゲーム終了後に窓口に行ってポイントに相当する景品を受け取る仕組みです。

Buildings 'Talk' to Tourists in Portugal and Italy via BLE Technology

ポルトガルのMobinteg社は旅行者向けに街の情報をBluetoothビーコンで提供するアプリSMIITYを提供しています。SMIITYは建物の壁に設置されたBluetoothビーコンをもとに建物の情報をスマホで閲覧するためのものです。同社は大気汚染の状況を観測するビーコンSMIITY Boxも開発しました。SMIITY BoxはSMIITYのビーコンとしても動作し、SMIITY Boxの観測結果はSMIITYを検索したアプリ経由で送信されます。

Zebra Launches RFID-enabled Overhead Sensor

Zebra社はRFIDと画像処理を組み合わせた小売店舗向けソリューションSmartSenseを発表しました。SmartSenseは天井に1.2~1.5m間隔でセンサーを配置し、店内のどの客がどの商品を手に取ったか、持っているかをRFIDと画像認識から取得します。これにより店内の在庫管理の精度を99%以上まで引き上げることができます。

RFID News Roundup

  • AutomationDirect社がRFID経由で設定できる非接触安全スイッチの新製品を発表
  • Idesco社がポータブルIDカードプリンタにRFIDエンコーディング機能を追加
  • D-Tech International社が学校図書館向けのRFID対応盗難防止システムを発表
  • STAR Systems International社が自動車吊り下げ用RFIDタグの新製品を発表
  • Elatec社がTWN4 MultiTechリーダーを発表

Is This the Year RFID Takes Off?

編集長のMark Roberti氏はここ数年の年頭予想でRFIDはまだ爆発的な普及点には達していないと述べてきましたが、2017年にはいよいよ普及点に到達するかもしれません。普及点への到達の条件はホールプロダクトの一つが市場でデファクトスタンダードとして認定されることです。現時点ではまだこの条件は満たされていませんが、ベンダー各社はホールプロダクトを市場に投入しようとしており、アパレル分野では年内に状況が変わるかもしれません。

RFID Adoption Headwinds

RFIDの導入には3つの注意点があります。一つ目はRFIDを業務全体の変革を起こすものとして扱うこと。二つ目はRFID導入前後の比較ができるように現在の業務状況を調査しておくこと。最後はRFIDによって得られたデータを用いて改善策を立てて実行することです。

RFID Trends: What's Ahead in 2017, Part 1(有償記事)

RFIDの今後を占うため、RFID Journal誌は大手RFIDベンダーのキーマンにインタビューを行いました。インタビュー先はCheckpoint Systems、Omni-ID、Impinj、SML Group、NXP Semiconductors、Avery Dennison、HID Global、Zebra Technologies、Smartrac Technology Groupの各社です。

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2016/12/31

2016年RFID十大ニュース

今年はRFIDの各分野で新技術に関わるニュースが目立った。ある技術では実現が困難だと思われていた用途で、利用の広まりを受けどうしてもその技術を使いたいというニーズが出てくることでブレイクスルーが起きることには感動するし、それだけ需要の厚みが増してきたということだと思う。

☆UHFパッシブRFIDの技術開発活性化

近年UHFパッシブRFID技術は読み取り精度や価格などの面で改良余地が飽和したように感じていたが、今年になりセンサー機能搭載チップの新製品が登場したり、三点測量などビームフォーミングとは異なる技術を用いたRTLSシステムの開発事例が報告されるようになった。Internet of Thingsを支える要素技術としての切り口から需要が出てきたのだろう。

☆Bluetoothを用いたRTLSの登場

従来Bluetoothは技術的にRTLSに向かないと言われていたが、スマホへの対応やビーコン利用の普及を受けてRTLSとして利用するための製品が登場し始めている。データ処理で精度を向上させるタイプ、UHFパッシブRTLSと同様のビームフォーミングで位置検知を行うタイプ(こちらは仮想的なビーコンを生成することもできる)などのタイプがあり、既存のRTLSを置き換えるケースが出てきている。

☆アクティブタグのバッテリーレス化

従来は電池を利用した駆動が当然だったWiFiやBluetoothタグで、電池を搭載せずに動作するものが登場しはじめている。太陽光や振動などの環境電池と二次電池を組み合わせたタイプは以前から存在するが、驚いたのは劇的に消費電力を削減させることで受信電波による駆動を可能にした、ほぼパッシブタグと同等といえる技術の登場。実用化にはもう少しかかるようだが。LANとパッシブタグが統合されることでどんなことが可能になるか、とても興味深い。

☆Macy'sのオムニチャネル対応

今年の(在来型の)RFID導入をリードした企業はMacy'sだろう。年初に発表されたオムニチャネル戦略とRFIDとの組み合わせは、定番品を中心とした店頭在庫切れ防止という従来の小売業RFID導入の主要目的からの転換を示すものだった。もちろん店頭在庫切れ防止が主要な導入目標であり続ける業種もあるが、導入目的の広がりを示すものではあったろう。

☆Amazon GoがRFID利用を表に出さず

一方で今年の年末に発表されたAmazonの無人店舗Amazon Goは、コンセプト動画などのプレスリリースで画像認識とディープラーニングを前面に出し、RFIDの利用にはまったく触れないものになった。小売店頭での自動認識技術の利用は、一つの技術があればすべての用途に対応できるという段階を超え、用途ごとに使い分けが始まるのだろう。これはRFIDの普及にとっても望ましいことで、ジェフリー・ムーアのキャズム理論にある通り、ある新技術はそれと同等の能力を持つ対抗技術ができるまでは本格的な普及が始まらないものなのだ。

☆デルタ航空が航空手荷物管理にRFIDを導入

今年のRFID導入のもう一つのビッグニュースはデルタ航空の航空手荷物管理へのRFID導入だろう。同社にとっては再チャレンジとなるが、そもそもIATAが2018年を期限に航空手荷物トラッキングシステムの導入を義務付けており、それへの対応という側面もある。デルタ航空の動きがきっかけで他の航空会社や空港にもRFID手荷物管理の導入が広がるか、2017年に注目したい。

☆NFC ForumでFelicaが必須仕様に

これは非常にめでたい話。日本のFelica関係者の地道な努力が実を結んだ結果と思う(器材の能力向上により従来は過剰スペックと思われていた仕様を標準製品で満たせるようになったという点も大きいが)。海外の非接触決済サービスが日本に入ってくるだけではなく、インバウンドなどで日本のインフラを海外ユーザーが使えるようになるよう、2017年はこの仕様に対応したグローバルモデルのスマホ、タブレットが多数登場してほしい。

☆ApplePayがSUICAをサポート

これも日本にとってビッグニュース。iPhoneの普及によって重要度が下がっていたおサイフケータイサービスの復権、再発展につながることは間違いない。一方でAppleがこのような譲歩を行ったことが同社にとって何を意味していたのかについては注意していく必要があるかもしれない。

☆Impinj社のIPO成功

Impinj社が6千万ドルのIPOに成功したことは、RFID業界の成熟を示す大きなメッセージだったと思う。CCL社によるCheckpoint Systems社の買収など買収による投資は今年も続いているが、IPOの成功はそれとは別の、RFIDをビジネスにする企業が自律的に利益を出していけるということへの投資家の信頼を示すものだと思う。

☆RFIDキャズムは越えたがトルネードには届かず

RFIDマーケット全体で見ると、導入事例や規模は着実に拡大し、アパレル分野などでは導入がメインストリーム市場に広がってきたため、キャズムを超えたとは言えるだろう。ただ、市場が一気に拡大し、ベンダーがそれに対応する製品の投入を迫られるトルネードはまだ始まっていない。マーケットに存在するホールプロダクトの数もまだ少ないし、ましてそのうちの一つがデファクトスタンダードになる様子も見えない。RFIDマーケットにはいつかトルネードが来るのか、あるいは現状のような普及パターンがこのままじわじわ続くのか。2017年にはそのあたりが見えてくるだろうか。

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2016/12/29

RFID World Watcher Monthly November 2016

今月の特集記事はMacy'sとAmazon Goの2本。小売店舗でのRFIDの利用が、技術よりもビジネスの理由で変わり始めていることが興味深い。ニュースは先月と同様に製品紹介がやや少な目で事例中心。

RFID World Watcher Monthly November 2016 (PDF形式、433KB)

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2016/12/27

RFID Journal 抄訳 2016/12/27号

今週興味深かった記事は有償記事ですがJames Stafford氏へのインタビュー。Marks & Spencer社のRFID導入を率いた人だけあり、派手ではありませんが小売業でのRFID導入プロジェクトにたいする深い洞察が感じられます。

識者投稿はエナジーハーベスティング技術と大容量コンデンサーの組み合わせでIoTデバイスの風景が変わる、という話。個別の事例としては馴染みのある話なのであまり意識してはいませんでしたが、俯瞰するとどういった風景が見えてくるのか、しっかりしたレポートを読んでみたいですね。

なお、元記事はこちらになります。

Hospitality Door System Pairs BLE With RFID for Mobile Room Access

dormakaba社はBluetoothに対応したホテル向けのドアの鍵を提供しています。ホテルでは従来利用されてきた磁気マグネット式の鍵をNFCカードに切り替える動きが進んでいますが、同社はこれに加えて鍵の状況をZigbeeで集中管理するソリューションを提供、さらに今回BLEを利用して専用アプリをダウンロードしたスマホを鍵として利用できるようにしました。スマホのBLE機能を鍵として利用するソリューションはMarriottや Hiltonなどのチェーンで採用が始まっています。

Blockchain Secures Document Authenticity With Smartrac's dLoc Solution

Smartrac社はNFCタグとブロックチェーン技術を用いた書類の偽造防止ソリューションdLocを開発しました。このソリューションはNFCタグのIDをキーとしてクラウドにブロックチェーンを格納し、秘密鍵データを搭載したNFCリーダーにのみクラウドのブロックチェーンへのアクセスを許可するというものです。

NFC Tags Take to the Slopes on Ski Jackets

アパレル企業のSpyder Active Sports社はU.S. Ski Teamオフィシャル製品にNFCタグを貼付しています。タグはロゴの部分に埋め込まれ、スマホやタブレットで読み込むことで、U.S. Ski TeamのWebサイトや各種SNSにアクセスすることができます。採用されたのはSmartrac社のDuraタグです。

Kiremko Adds RFID to Potato-Cutting Machinery

オランダの食品加工機器メーカーKiremko社は、ジャガイモ切断機のカッター部品の管理をRFIDで行います。同機材は複数のカッター部品を交換することでジャガイモを異なる形に切ることができますが、カッター部分にHFタグを、本体側にリーダーを設置することで、現在どのカッターが装着されているかを判別できるようになりました。

RFID News Roundup

  • AutomationDirect社はRFIDで設定可能な非接触スイッチを発表
  • Idesco社が自社のIDカードプリンタにRFID書き込み機能を追加
  • D-Tech International社が学校図書館向けのRFID対応セキュリティシステムを発表
  • STAR Systems International社が自動車用吊り下げタグの新製品を発表
  • Elatec社がTWN4 MultiTechリーダーを発表

Smart Cities Challenge

IEEEとRAIN RFID Alliance、RFID Journalの3者は共同で、都市インフラの問題をUHFパッシブRFIDで解決するアイデアを募集する、Smart Cities Mega-Challengeを実施することになりました。これは来年のIEEE RFID 2017イベントのプログラムの一部で、学生を対象としています。

Why Batteries Are Ripe for Disruption

エナジーハーベスティングと大容量コンデンサーの技術進歩により、従来は一次電池を利用していたIoTデバイスを電池不要で駆動させられるようになりつつあります。これにより、電池がボトルネックになっていた各種のIoTデバイスの普及が加速することが期待されます。

Communication Is the Key to Success(有償記事)

Marks & Spencer社のRFID導入を率い、現在はAvery Dennison社の小売り向けシステム部門に転じたJames Stafford氏へのインタビューです。同氏によると、RFIDソリューションの導入には十分なコミュニケーションが必須であり、社内ではクロスファンクションのチームで導入に当たり、社外ではサプライヤーなどの関係先に不意打ちが起こらないようにすることが重要です。

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2016/12/25

Amazon GOとレジ無し決済のコンセプト(とRFID)

Amazonが発表したレジ無し決済のコンビニ、Amazon Goが波紋を広げている。内容については既に報道されているとおりで、画像認識や各種センサー、そしてディープラーニングなどの技術を用いてレジ精算が不要なコンビニエンスストアだ。現在はAmazon本社内で社員のみを対象にテスト営業をしていて、2017年前半には一般に開放されることになっている。Amazonが提案するイメージは同社の動画を見てもらうのが手っ取り早い。

RFID業界の人間が見て気になるのは、RFID技術を用いて進められてきたこの種のレジ無し決済の店舗の評価、あるいはトライアルや実用化との関係だ。この記事では、このようなレジ無し決済の店舗の実現が進んでいない理由は何か、そこに進出しようとするAmazonの意図は何か、について語ってみたい。

まず、このようなレジ無し決済ができる店舗のコンセプトは「新しい」のだろうか。昔からRFIDに馴染みがある人間なら「コンセプトは新しくない」ことは知っているはずだ。これについては、IBMがRFID事業に関連して10年前に作成した動画(その筋の人には懐かしい)を見ていただこう。

いや、レジ無し決済店舗はコンセプトこそ古くから存在するが技術的(もしくはコスト的)に実現が困難だった、Amazon Goはそこに対するブレイクスルーだ、という意見もありうるだろう。だが、これも事実に反する。例えばアパレル分野では、商品個品へのUHFタグ付けを行い、出入口にゲート式のRFIDリーダーを(現在は盗難検知用に)設置している店舗が既に多数存在する。このような店舗ではアプリケーションさえ対応させれば容易にAmazon Goスタイルのレジ無し決済の実施が可能だ。

このような店舗でレジ無し決済が導入されていない理由は、単純に十分な投資対効果が得られなかったからだ。最初に目が向きがちな人員削減効果については、店舗の清掃、商品補充、トラブル対応などがあり、レジが無くなっても店員が不要になることはありえない。そうであれば、意味のある規模の導入メリットは、売上の向上、つまり、顧客がレジを通らずに商品を持ち出せるという気楽さを顧客に訴求し、それによる来客数の増加、客単価の上昇しかない。

現時点ではRFID業界は、というか小売業全般は、レジ無し決済による顧客体験の変化を売上の向上に結び付けられていない。レジを無くす方向性は違うが、アパレル分野で顧客にレジ無し決済を提供しようというコンセプトが破綻したJ.C.Pennyが代表的な失敗例だろう(RFID a GoGo!:J.C.Pennyの全店舗・全商品RFIDタグ付け)。同社が参考にしたAppleストアのセルフチェックアウトというコンセプトもあまり広まっていない(こちらは自分でバーコードを読み取るという手間が発生するが)。現在利用されているのは、レジ無し決済店舗というよりは高機能汎用自動販売機といった趣の無人サンドイッチスタンドが挙げられるだろう(RFID Journal:PantryLabs' Vending Machine Dispenses Fresh Foods Via RFID)。あるいはB2B向けの消耗品を販売する無人店舗など、限定的な事例に留まる。

Amazon Goは今までの小売店が失敗してきたレジ無し決済による売上向上を可能にするのか。あるいは可能かもしれない。同社はネット購買という全く新しい購買体験を作り出した実績がある。将来は、商品を自由にピックアップしてそのまま店の外に持ち出せば勝手に決済されるという仕組みを当たり前にできるのかもしれない。いったんそうなってしまえばレジに並ぶことが億劫で考えられなくなるような世の中になるだろう。

だが、Amazonが今この時点でAmazon Goを開始しようとする理由は、そのような長期的なビジョンだけなのだろうか。

興味深い指摘がある。Amazonが自動店舗の運営方式として申請した特許には、RFIDを用いた識別が含まれている(GeekWire: How 'Amazon Go' works: The technology behind the online retailer's groundbreaking new grocery store)。考えてみれば当たり前の話で、世の中には衣類のサイズ違い品など画像認識だけでは識別不可能な商品が多数存在する。

そういった点を表に出さず、画像認識とディープラーニングを前に押し出したコンセプトビデオを作製したのはなぜか。これは、顧客の行動の画像を大量に取得することに対する隠れ蓑ではないだろうか。同社の本当の目的は、人間が物を購入するときの身体の物理的な動き、表情や視線などを多量に収集し、オンラインも含むマーケティングに役立てることではないかと思う。そうであれば、すぐには事業として成立しなくとも、同社は粘り強く取り組みを続けるだろう。

最後に、Amazon GoはRFID業界の脅威になるのだろうか。これについてはRFID Journal誌のMark Roberti氏が的確なコメントを書いている(RFID Journal:Amazon Aims to Revolutionize Brick-and-Mortar Shopping)。RFIDには棚卸しの正確化・高速化や衣類のサイズ違い品の識別など画像認識では実現困難な機能を提供できる。レジ無し店舗の一部の機能が画像認識などでカバーされるとしても、そのコンセプトが普及することはRFIDにとってビジネスチャンスになると。正論だと思う。Amazon Goがどの方向に進んでいくのか、RFIDがどうやって食い込んでいくかという視点からもしっかり見極める必要があるだろう。

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